▲神田川さんと「ひつじや うまうま」のオーナー井上さん
テレビで活躍が取り上げられる「日本食の調理人」として、その存在を知らない人はいないのでは。平成を代表する料理バラエティ番組「料理の鉄人」では、日本料理界<関西からの刺客>として数々の鉄人との対決し、その名を全国区にした神田川俊郎さん。関西在住の方にとっては、お昼のワイドショー番組の料理コーナーで、軽妙な語りと手軽なのに本格的な逸品を繰り出す姿が思い出されるだろうか。
そんな神田川さんが最近特にお気に入りなのが「羊肉料理」とお聞きした。今回は、お店のある北新地エリアで足しげく通うという「ひつじや うまうま」のオーナー井上さんと一緒にお話を伺った。
「ラムのいいところを話そうとして、思い出しただけで食べたくなるねぇ。」と、まず一言。聞いている私たちにまで味わいが拡がるような話しぶりからは、テレビの印象と違わずチャーミングなお人柄と、圧倒的な羊愛が伝わってくる。
井上さんのお店を伺う際には、ジンギスカンからスタートして、お鍋までたっぷり楽しむそう。「ラムのいいところはねぇ、胃にもたれないところだね。他の動物のお肉と違って不飽和脂肪酸が多くて、脂肪を燃焼するのを助けるでしょ。それに、鉄分も多くて栄養もたっぷり。」「ペロッと5人前は食べるよ。」とは驚き。「食、というのは<人を良くする>と書くでしょう。ラムは特に元気をくれる。」現在も、国内外に109名いる日本食普及親善大使の筆頭親善大使として、日本食・食文化の普及に活躍する大きな存在にとって、ラムは欠かせない存在のようだ。
さらに話は、調理人ならではの、日本食の食材としてどういう存在であるかに及んだ。「牛肉・豚肉などとは違い、料理の味に負けない<奥深い肉の味>があるのが魅力」と分析。それゆえ、日本食において「ラムには、フグに次ぐ魅力がある」とは斬新な視点。
「四季折々を大切にする和食の流儀の中でラムを使うとしたら、季節の野菜との和え物がいいかな。夏ならさっぱりと胡瓜のすり流しと酢で和えるのも、相性が良さそうだね。」と早速レシピが誕生。さらに次の瞬間には「お弁当のおかずとしてもラムは硬くなりにくいから、上手に使える。牛肉が使われることの多い人参とインゲンを入れた野菜巻きも、ラムでやるといいね。」と身近な家庭料理にまで話題が及んだ。めくるめく提案からは、「日本食の魅力」につながる発見を見逃すまいとする情熱がひしと伝わる。
最後には、昨今、世界中から関心を寄せられる「日本食ブーム」をきっかけに、実際に日本を訪問して食を楽しむ海外からの旅行者の話に。「日本を訪れる海外の方はこれからも増えますから、そうなると、ラムはますます欠かせない存在になりますよ!」と。その背景には、宗教上、牛肉や豚肉を食べられない方にも、ラムは禁忌のない食材として提供できる料理の幅が広がるということだ。「日本食を楽しみに私たちの国に来てくれる、世界中の方に喜んでもらえる!と思うと、嬉しいですね。」と。最前線で日本食での国際交流を図っている巨匠からもお墨付きの「日本食の魅力」をさらに付加するラムに、期待が高まる。
神田川 俊郎
「神田川本店」店主
1939年 京都府京都市出身 全日本調理師協会名誉会長
大阪「洗心亭」「なだ万」で修業の後、創作おでんの店での独立を経て、1965年、大阪府大阪市北区に和食料理屋「神田川」を開店。店の経営とともに、2015年より日本食普及親善大使 筆頭親善大使を務め、海外に向けた日本食の魅力発信に尽力。また日本各地の高等学校調理科コースの名誉顧問として次世代の調理師の育成に実践的に貢献している。
この記事を書いた人
ラムバサダー特派員
ラムバサダーとはメンバーの22名だけではありません。ラム肉を愛する人ならだれでもラムバサダーなのです!
日本中に散らばる多くのラムバサダーたちが「ラムバサダー特派員」です。
彼ら多くの「ラムバサダー特派員」が、様々な切り口でラム肉愛にあふれるお店を紹介していきます。