ラムバサダーの菊池が一般向けに世界のひつじ情勢をまとめてご紹介いたします!
今回は、世界で食べられている肉で一番多い畜肉は何でしょうか?? と言うお話から始めましょう。「え、羊なの??」とこの前フリだと思う方も多いかと思いますが、そんなことはなく、一番は鶏肉です。その次が豚肉、牛肉は1位の鶏肉の半分ぐらいで3位。そして、我らが羊肉は、鶏肉の8分の1となり、4位となります。
この統計に大きな影響を与えているのはズバリ宗教。
イスラム教は豚肉を食べることを禁止していますし、ヒンドゥー教では牛肉を食べません。これは宗教的禁忌で比較的守られているので、信じる方が多い宗教の禁忌に触れる食材は世界的に見ても生産に影響が出るのは当然ですよね。そうすると、その禁忌に触れずどんな環境でも育ちやすい鶏肉が1位になるのは自明の理です。
我らが羊ですが、こちらの宗教的禁忌があまりないお肉なので(もしかして羊を食べちゃだめな信仰があるかもしれませんが・・・)世界中ほとんどの人が食べれるお肉となります。鶏肉と違い、生産量が少ないのは羊肉が「高級なごちそう肉である」事が影響していると思われる事と、生産性がそこまで高くない家畜である事に起因しているものと思われます。
羊肉は、鶏肉とともに宗教的禁忌がないグローバルフード。そして鶏肉と違うところは、羊肉。特にラム肉が世界のごちそう肉として高い地位を得ているところでしょう。各国でおもてなし料理に羊を使う国も多いですし、世界中で「高級で美味しい肉」が羊肉の立ち位置です。
その、羊肉が日本ですと過去の間違ったイメージの影響を受け「安くて匂いが独特の肉」とされてしまっている事は嘆かわしい限りで、海外の方から「なぜ日本人は羊に対してネガティブイメージを持っているのか??」と不思議がられるほどです。
■世界で一番愛されている肉。それがラム肉!
海外の人が日本人の反応を見て驚くのが「羊肉は実は世界で一番愛されている」お肉だからで、その自国と日本での差に驚くからだそうです。では、上記も踏まえて、どれだけ愛されているかをまとめますと・・・・
●宗教上の制限がない。→誰でも食べることができる!
●草食動物なので鶏や豚と違い囲いで人工的に飼われず、自然放牧が基本。→貴重!=ごちそう肉!
●豚と違い子供をたくさん産まない→貴重!=ごちそう肉!
●政府主催の晩餐会などでおもてなしの肉として仔羊のローストが出されることが多い。→日本の宮中晩餐会もメインが羊の場合がほとんど。
●養う美しいなど漢字の中にも羊が居ます。羊は漢字文化圏だとポジティブイメージを持つ場合が多い。
●世界最古の家畜と言われ、人類が歩んだ歴史に羊はなくてはならない存在。→もはや遺伝子レベルで「好き!」(笑)
●健康志向や倫理(エシカル)観の高まりでここ数年グラスフェッド(牧草飼育)の人気が 高まっており、ラム肉の人気も右肩上がり!
●輸出大国オーストラリアではラム肉は”国民的な肉”と言われ、オージーたちはみんなラム肉が大好き!
など。羊は世界中でポジティブなイメージがたくさん付いてるんです!
最近では「サスティナブル」「エシカル」など地球環境や倫理観に関するワードが盛んに言われていますが、じつは羊肉は、はるか昔からサスティナブルでエシカルな肉である、ということにも注目です!
今回は、世界で生産されている肉と言う切り口でのスタートでしたが、世界での羊肉の立ち位置と言う、雄大な話で終わりました(笑)引き続き、このような話は載せていきますのでご期待下さいませ!
この記事を書いた人
ラムバサダー 菊池 一弘
羊肉の消費者団体、羊齧協会創業者にして主席(代表)。
羊肉料理を素人がおいしく楽しく食べられる環境作りを行うべく、多種多様な羊肉普及のためのイベントを行う。
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