味付ジンギスカングランプリを通して、改めて「ジンギスカンとは何だろう?」と、考える機会が増えました。掘れば掘るほど面白いジンギスカンの世界。色々と説がありますが、何が正しいかを決めつけるのではなく、あくまでジンギスカングランプリの運営を通して、数百のジンギスカンに触れてきた経験を元に「ジンギスカンの定義」についての私見をまとめてみました。
▼参照記事:ジンギスカンの発祥とは?名付け親は?ジンギスカンのあれこれ。
https://lambassadors.com/jp/200428.html
■ジンギスカンって定義があいまい。
例えば、豚に味をつけた「ブタジン」という料理があります。また、以前地方で牛肉を炒めたジンギスカン定食を食べた事もあります。そこでは「当店のジンギスカンは牛肉を使用しております」と書いてありました。また、羊肉の網焼きを、網焼きジンギスカンと呼ぶお店も結構あったりします。
羊串。羊肉をぶつ切りにし串に刺した料理をジンギスカンと言う場合もあり、様々な場所で独自解釈で「ジンギスカン」という用語を使っているようです。このあたりをまとめると、下記3つの流れになります。
1.ジンギスカン鍋を使う料理を「ジンギスカン」というパターン
最も多い解釈はこちらです。あの独特の鍋で調理する事を「ジンギスカン」と呼ぶパターン。
ほぼすべて羊ですが、あの鍋で他の肉を焼く場合もジンギスカンと呼ぶ場合が少数ながらあります。
2.醤油ベースの味付けをさす場合。
シカジン・ブタジンなどはこの定義に当てはまります。ジンギスカン風の付けだれにつけたものをさすパターンです。こちら、市販の味付ジンギスカンもフライパン調理を推奨していたりする場合もあるので、市販の味付ジンギスカンもこの定義に当てはまる場合があります。
3.羊肉料理をさす場合
羊肉の串を「ジンギスカン串」とよんだり、羊の卵とじを「ジンギスカン丼」と呼んだりする場合です。羊肉=ジンギスカンと呼ぶ例はその他資料などにも散見されます。
と、どうも調べてみると上記の3つのパターンに分かれるようです。2つのパターンにまたがる場合もありますが、分かりやすく3つに分類してみました。
■この自由さを大事にしたい。
結論から言うと、「どれでも正解じゃないか?」と思うんです。
ジンギスカンは比較的新しい料理なので、色々な解釈・楽しみ方が派生していいはずです。「〇〇はジンギスカンじゃない!」と否定する必要は一切ないと私は考えています。おいしくて、多くの人がその意味に納得できていれば特に問題はないはずなので。
この、揺らぎとか、大らかなところがジンギスカンの可能性だとも思っていて、ここから新しい味付ジンギスカンや、羊肉の食べ方などが生まれて行くような気がします。
今回は、個人的に気になったところをまとめてみました。あくまで私見なので軽いコラムとして読んでいただければ嬉しいです。
消費者としての意見ですが、参考になるのではないかと思いまとめてみました。改めて、参加していただいた関係社の皆さんに感謝を。
この記事を書いた人
ラムバサダー 菊池 一弘
羊肉の消費者団体、羊齧協会創業者にして主席(代表)。
羊肉料理を素人がおいしく楽しく食べられる環境作りを行うべく、多種多様な羊肉普及のためのイベントを行う。
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