羊肉のお話をしていると、よく聞かれるのが「国産の羊肉の生産量」について。皆さん、「北海道だと大体国産じゃないか?」「全体の2割ぐらいが国産?」とあまり知られていない事ですので、改めてまとめてみました。では、国産羊肉は日本で食べられている羊肉の全体のどれだけか?
それは・・・・
「約0.5%」です。
しかも、誰も統計を取ってないので、こちら、登録されている飼育頭数から1年の出荷数を予想し、それを全量統計のある輸入羊肉の数量と比べて、導き出したおおよその数字が上記となります。
思ったよりも、すごく少ないと思われた方が多いのではないでしょうか?
私も、以前は北海道ジンギスカンと名乗っているお店は、北海道産の羊肉を使っているのだと思っていましたが、ほとんどは海外産の羊肉を使っています。地域によっては、オーストラリア産肩ロースを使う事が、その土地の名物料理ジンギスカンの決まりのようになっている地域もあるほど、海外産の羊肉の需要は昭和30年代より高いのです。
それでは、頭数の推移を見てみましょう。
1956年の94万頭をピークに、その後は1万頭と2万頭の間で推移しております。2017年のデータで言うと17,000等。こちら登録されているものだけなので、登録されてない羊もいますし、食用ではない羊も含まれているので完全なデータではないですが、参考までに。
このように、日本の羊肉は、国産ではなく、99.5%を占める海外産が支えています。特にオーストラリアは、海外産の羊肉の中で6割〜7割のシェアを占めるお肉です。
国産が良い、どこの国が良いという話題ではなく、「事実はこうです」をお伝えするような記事として、こちらまとめさせていただきました。
この記事を書いた人
ラムバサダー 菊池 一弘
羊肉の消費者団体、羊齧協会創業者にして主席(代表)。
羊肉料理を素人がおいしく楽しく食べられる環境作りを行うべく、多種多様な羊肉普及のためのイベントを行う。
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